土佐打刃物TOSAUCHIHAMONO

土佐打刃物について

土佐打刃物は、400余年の歴史を持つ高知県の伝統工芸です。

高知県は全国でも屈指の「森の国」であり、古くから林業が発展し木の伐採に必要な打刃物が盛んに造られていました。

鎌倉時代後期には大和国より移り住んだ刀鍛冶 五郎左衛門吉光派が室町末期まで繁栄し、戦国の乱世で武具刀剣等の需要に応じていました。
1590年に土佐一国を統一した長宗我部元親が記させた「長宗我部地検帳」には、399軒の鍛冶屋が存在していたことが記録されています。

江戸時代には、土佐藩が財政窮迫の復興として森林資源の活用や新田開発などの振興政策を遂行し、農林業用刃物の需要が拡大、打刃物の生産量と品質が飛躍的に向上し、土佐打刃物が確立されました。

刀鍛冶の技術は農林業用打刃物の技術にも影響を与え、鎌や鉈、鋸、鍬などの農林業道具を中心に発達したといわれています。

土佐打刃物は日本刀と同じ高品質の刃物鋼を用い、日本刀のように鍛えることにより、金属組織を微細化し、切味・耐摩耗性・刃の粘りを与えています。

農林業用の実用的な道具として発達した土佐打刃物は、鍛冶師の研鑚により切れ味と耐久性を兼ね備えた高品質の刃物として評価をいただいており、現在も土佐打刃物の伝統と技術は進化を重ね続けながら受け継がれています。